【ドイツ語文法】名詞と冠詞

ドイツ語の名詞には「男性名詞」「女性名詞」「中性名詞」のように文法上の性があります。

Der Hund heißt Hachi.
その犬はハチという名前です。
Die Katze heißt Kitty.
その猫はキティーという名前です。
Ich kaufe das Buch.
私はその本を買います。

定冠詞と不定冠詞は名詞と共に文の中でさまざな役割を果たしています。

Ich habe ein Buch. Das Buch ist billig.
私は1冊の本を買います。その本は安いです。
Ich habe einen Kugelschreiber. Der Kugelschreiber ist teuer.
私はボールペンを1つ持っています。そのボールペンは高いです。

ドイツ語の動詞には格支配という概念があります。

Ich helfe der Frau.
私はその女性を助ける。
Ich küsse die Frau.
私はその女性にキスをする。

名詞の性

ドイツ語の名詞は男性名詞、女性名詞、中性名詞という3つの性があります。そしてこの性は名詞の前に置かれる冠詞によって区別されます。
冠詞は名詞が単数・複数であるかの区別も示します。まず名詞に定冠詞をつけた次の表をみてください。

男性名詞

der Vater(父)
der Hund(犬)
der Brief(手紙)

女性名詞

die Mutter(母)
die Katze(猫)
die Uhr(時計)

中性名詞

das Kind(子供)
das Baby(赤ちゃん)
das Auto(車)

単数形と複数形

der Vater → die Väter
der Hund → die Hunde
der Brief → die Briefe
die Mutter → Mütter
die Katze → die Katzen
die Uhr → die Uhren
das Kind → die Kinder
das Baby → die Babys
das Auto → die Autos

上の表から分かるように、男性名詞は der 女性名詞は die 中性名詞は das そして複数形はすべて die になるということです。これらはすべて定冠詞1格の状態です。

名詞の性を調べる

名詞の性は der Vater(父), der Sohn(息子), die Mutter(母), die Tochter(娘)ように、自然の性が明確なものに関しては文法上の性と一致しています。

ただし der Hund(犬), die Katze(猫), das Baby(赤ちゃん), der Brief(手紙), die Uhr(時計), das Auto(車)のような物事の概念にも性がついているため、それぞれ覚えるしか方法はありません。

ドイツ語を学ぶにつれ、少しずつ性の覚え方に関するルールは分かってくるので、まずは定冠詞をつけて名詞を覚えるようにしてください。ちなみに、名詞の性、複数形などは辞書で次のように記述されています。

Vater m. -s / Väter 父
Mutter f. / Mütter 母
Kind n. -es / Kinder 子供

m. , f. , n. は名詞の性で、それぞれ男性名詞、女性名詞、中性名詞を表します。Vater と Kind には -s と -es という表記がありますが、これは2格の際につく語尾変化を表しています。また / の後ろの Väter , Mütter , Kinder は複数形です。辞書によっては ¨ や -er のみが書かれていることもあります。

冠詞と名詞の格変化

冠詞の役割として以下の2つを説明しました。

・冠詞は名詞の性を区別する。

der Vater / die Mutter / das Kind

・冠詞は名詞の単数・複数を区別する。

der Vater → die Väter  / das Kind → die Kinder

そして冠詞にはもう1つだけ重要な役割があります。

・冠詞があることで文中での名詞の役割が明確になる。

Der Mann zeigt dem Mädchen den Brief des Lehrers.
その男は 少女に 先生の 手紙を 見せる。

日本語は「が・の・に・を」という格助詞によって語の役割が明確になりますが、ドイツ語には格助詞がありません。その代わりドイツ語は1から4までの「格」が似た役割を果たしています。その4つの格は冠詞によって区別されます。

上記の例文で使用されている単語の1格は der Mann, das Mädchen, der Brief, der Lehrer です。しかし der Mann 以外の名詞についている冠詞はすべて違った形をしています。つまり、名詞の格が異なれば、定冠詞も変化するということです。このような変化を格変化と言います。

1格:主格(N)

Wer zeigt dem Mädchen den Brief des Lehrers? - Der Mann zeigt dem Mädchen den Brief des Lehrers.
誰が 息子に 先生の 手紙を 見せますか? - その男が 少女に 先生の 手紙を 見せます。

2格:所有格(G)

Wessen Brief zeigt der Mann dem Mädchen? - Den Brief des Lehrers zeigt der Mann dem Mädchen.
誰の手紙をその男は少女に見せますか? - 先生の手紙をその男は少女に見せます。

3格:関節目的語(D)

Wem zeigt der Mann den Brief des Lehrers? - Dem Mädchen zeigt der Mann den Brief des Lehrers.
誰にその男は先生の手紙を見せますか? - 少女にその男は先生の手紙を見せます。

4格:直接目的語(A)

Was zeigt der Mann dem Mädchen? - Den Brief des Lehrers zeigt der Mann dem Mädchen.
何をその男は少女に見せますか? - 先生の手紙をその男は少女に見せます。

上記の文では主格は「は・が」、所有格は「の」、間接目的語は「に」、直接目的語は「を」を表していますが、ドイツ語には格支配という概念があるため、これは絶対的なルールではありません。

例えば、küssen(〜にキスをする)という動詞は日本語では「〜に」となりますが、4格目的語を必要としますし、helfen(〜を手伝う・〜を助ける)という動詞は日本語では「〜を」となりますが、3格目的語を必要とします。

wer と was の格変化

一部の疑問詞も格変化をします。wer と was の格変化を表にすると以下の通りです。

wer の格変化

1格 : wer
2格 : wessen
3格 : wem
4格 : wen
Wer ist sie?
彼女は誰?
Wessen Buch kaufst du?
誰の本を買うの?
Wem gibst du das Buch?
誰にその本をあげるの?
Wen besuchst du?
誰を訪問するの?

was の格変化

1格 : was
2格 : -
3格 : -
4格 : was
Was ist das?
それは何?
Was kaufst du?
何を買うの?

定冠詞と不定冠詞の格変化

それでは、本題にはいりましょう。ドイツ語で文章を組み立てるには定冠詞と不定冠詞の格変化を理解することが重要です。まずは以下の表を頭に入れてください。男性名詞は「der – des – dem – den」女性名詞は「die – der – der – die」中性名詞は「das – des – dem – das」複数形は「die – der – den – die」といったふうに、言葉に出しながらか覚えることが重要です。

ここで注意することは以下の2つです。

不定冠詞付きの名詞が複数になると無冠詞になります。つまり、不特定の名詞がいくら集まっても特定の名詞にはならないので定冠詞はつけられません。

名詞が男性2格、中性2格の時、語尾に -s または -es がつきます。

des Vaters / des Kindes / des Hundes / des Autos

繰り返しますが、上記の表は必ず覚えるようにしてください。ここまでの内容で曖昧な部分がある場合は、先に進まず、復習に重きをおいてください。

動詞の格支配

動詞の格支配について簡単に説明しましたが、例文と共にもう一度確認してみましょう。

treffen A

Julia trifft den Mann.
ユリアはその男に会う。

helfen D

Julia hilft dem Mann.
ユリアはその男を助ける。

küssen A

Julia küsst den Mann.
ユリアはその男にキスをする。

geben D A

Julia gibt dem Mann das Buch des Lehrers.
ユリアはその男に先生の本をあげる。

treffen ,helfen ,küssen ,geben の後ろについている D や A は、その動詞が必要とする目的語の「格」を表しています。(N は1格、G は2格、D は3格、A は4格の意味です。)treffen は4格の名詞、helfen は3格の名詞、küssen は4格の名詞、geben は3格と4格の名詞をそれぞれ必要とします。

日本語の「が・の・に・を」という格助詞を大前提に考えてしまうと、「〜に会う」だから3格、「〜を助ける」だから4格という風に思いがちですが、ドイツ語には「動詞の格支配」という概念があるため、必ず必要とされている格の目的語が置かれる必要があります。

ですので、ドイツ語を日本語に訳す際も動詞の格支配を意識しつつ、1格から4格に「が・の・に・を」を照らし合わせるようにしてください。

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