Original Text: http://ameblo.jp/seikoito/entry-12071554311.html

【平和自由宣言】 いとうせいこう featuring ●●●●

【Friedensfreiheit-Erklärung】Ito Seiko mit Shinsuke Y

*後述されている「平和抜きの自由はなく、自由抜きの平和はない。私たちはふたつを同時に目指す。」という文脈から平和(Frieden)と自由(Freiheit)をundでつなぐのではなく、あくまで「平和自由(Freidensfreiheit)」という1つの概念を前提とした全文を訳した。

*遠隔セッションという名目のため、featuring ●●●● は übersezt von ●●●● とはせずに mit ●●●● と表記し、翻訳ではなく1つのセッションであることの意味合いを強くした。

私たちの民主主義はここから始まる。
新たな私たちの『戦無民主主義』は。

Unsere Demokratie beginnt hier.
Die erneute unsere „Nichtskriegs-Demokratie.

*「私たちの新たな戦無民主主義」ではなく「新たな私たちの戦無民主主義」である以上、不定冠詞は unsere は die erneute の後ろに持ってくるようにした。この場合、ドイツ語としては誤解を招かないように Die erneute „Unsere Nichtskriegs-Demoratie“ と括弧の位置を意図的に変える方法も手段の1つだと思う。

私たちは平和を求める。
それは自由を求めることと同じである。
平和抜きの自由はなく、自由抜きの平和はない。
私たちはふたつを同時に目指す。
どちらかを諦めて後回しにするなら、もう一方も失ってしまうから。

Wir fordern den Frieden.
Es kommt mit der Forderung nach der Freiheit gleich.
Es existiert weder die Freiheit ohne Frieden noch der Frieden ohne Freiheit.
Wir streben beides gleichzeitig an.
Auch wenn man eine aufgibt und verschiebt, verliert man das andere.

*Es gibt でも同様の意味を表すことが可能だが、「存在する」という認識を強めるため、 existierenという動詞を用いて訳すことにした。

平和自由を目指す運動は、参加するあらゆる個人を守り解放する。
運動のために個人が抑圧されてはならず、むしろ個人のためにこそ運動は是正され続けなければならない。

Die friedensfreiheitliche Bewegung schützt jedes Individuum, das daran teilnimmt, und befreit man sich.
Zur Regung darf das Individuum nicht unterdrückt werden und für das Individuum muss die Regung lieber auszugleichen fortgefahren werden.

*日本語の文章では befreien の対象を記述してはいないが、解放されるのはそこに参加する「自身」であることは文意から分かるため、一般的な不特定主語として man を用いた。

暴言はどのような集団、どのような個人からも一気に退けられなくてはならない。言葉の暴力の効果は肉体的暴力と同じかそれ以上であり、心を殺し肉体を傷つける。支配を好む者たちの言葉遣いを私たちは避けて進もう。

Beleidigende Worte müssen von jeder Gruppe und jedem Individuum in einem Zug abgewehrt werden. Die Wirkung der Schimpfwörter kommt physischer Gewalt gleich oder noch schlimmer und sie tötet das Herz und verletzt den Körper. Wir wollen die Ausdrucksweise der Menschen, die gern herrschen, umgehen.

*「暴言」は beleidigende Worte や Schimpfworte で表される単語だが、意志表明がこめられているため、単なる罵りではなく、他者への侮辱を強く表現する beleidigende Worte を用いた。しかし次の文で「言葉の暴力」と一般化されているため Schimpfworte と単語を入れ替えることにした。

『ひとりの生命は地球より重い』という不思議な言葉をもう一度畏れなくてはならない。ひとりがそれぞれ他の人間すべてより尊いとは。
しかし諸君、人権はそのような考えからしか来ない。
あらゆる運動、集団の中で目的のために抑圧される者よ。
平和自由宣言はあなたの存在を地球より重く扱うために生まれた。

“Das Leben eines Menschen ist schwerer als die Erde,” vor diesem ambivalenten Worten muss man wieder Ehrfurcht haben. Ein Mensch ist wertvoller als alle andere Menschen.
Aber sehr geehrte Damen und Herren, die Menschenrechte entstehen aus diesem Gedanken.
Sehr geehrte Unterdrückte, die bei jeder Regung und in jeder Gruppe für die Ziel unterdrückt werden, um Ihre Existenz schwerer als die Erde zu behandeln, ist die Friedensfreiheit-Erklärung geboren.

*「ひとりの生命は地球より重い」という言葉の認識がドイツ人と日本では異なるため、単なる「不思議な言葉」ではなくそこに潜む二律背反、両価性をドイツ語で明示させるため、ambivalenten Worte という訳語を当てた。

*「諸君」という呼びかけの訳は他者への尊重を含む言葉なので sehr geerhte Damen und Herren というフォーマルな呼びかけの言葉を用いた。また次の文も「抑圧される者」への呼びかけなので、前文と一致させるため sehr geehrte を冒頭に入れることにした。

宣言する。あなたがたはそれぞれ、他の者すべてよりも常に重い。

Deklariere: Jede Einzelne ist immer schwerer als alle Anderen.

*文の中に「あなたがたはそれぞれ」と「他の者すべて」という対比する2語があり、後者 alle Anderen を明瞭化、強調させる目的で jede Einzelne 「あらゆる個人」を主語にして訳をあてた。

PEACE
FREE
&LOVE

Frieden,
Freiheit
und Liebe


このドイツ語訳は、いとうせいこう氏による「『平和自由宣言 遠隔セッション』指定書(日本語)」を Shinsuke Y がドイツ語に訳した上でドイツ人である Christoph S 氏に英語での仮訳と共にネイティブチェックを行ってもらった。その際 friedlich と pazifistisch 、Bewegung とRegung など単語が持ちえるバックグラウンドなども考慮の対象になった上で、上記の独文が出来上がったことを明示しておく。

また、訳者によって用いる表現も語彙も異なるため、このドイツ語訳が絶対というわけではない。原文及び翻訳に興味がある方は是非、自身の訳で「セッション」を行っていただきたい。